1968年と言えば、我々、昭和生まれのオヤジにとっては、非常に印象深いモノが二つ生まれた年。テレビアニメの「サザエさん」とC10型「スカイライン」だ。

1968年7月にデビューした我らがスカイラインC10型。通称「愛のスカイライン」あるいは「ハコスカ」。当時は「スカG」なんて呼名も流行っていたが、サスガに今では「スカG」なんて言うヤツもいなくなってしまった。個人的には、この「スカG」という響きの方が、スカイラインのオトコ臭さが漂っていて好みだなのだが・・・。

ところで、この頃のクルマには、翼があったような感じを抱く人が多いのではないだろうか。10代後半の若造にとって、それまでの自転車からクルマに乗り換えれば、行動範囲が格段に広がり、自由が広がる、そんな夢を感じさせてくれたような気がしたものだ。まだ見ぬ世界への憧れ。それはテレビCMやカタログなどにも反映されていて、現代のクルマのものとは異なる主張を感じさせてくれた。「愛のスカイライン」で行われた様々な試みは、やがてケンメリスカイラインで大きく飛躍する大ヒットへの序章だったのかもしれない。

最近は、どの自動車メーカーも「都会の似合う・・・」というコンセプトが多いようだが、ご存知のように都会は公共機関が発達しているため、クルマは不要だ。むしろ、クルマで移動する方が不便ですらある。駐車場の問題や、クルマでなければお酒も自由に飲める。最近の若い人は、それがわかっているから運転免許すらとらないのかもしれない。そんなことを考えながら、お酒を飲んでいると、
「クルマのいらない都会に似合うクルマって、一体なんだ?」
となってしまうのだ。

都会とは仕事をする場所。つまり日常。日常で使うクルマは、道具としての自動車。一方、個人で買うクルマには、折角大枚をはたくのだから夢が欲しい。つまり非日常世界へ出かけるための翼だ。休日に、山に行ったり、海に行ったり。大切な人と美しい景色を見たり、同じ時間を共有したいというのは、まさしく日常とは異なる体験をしたいという人間の素朴な欲求なのかもしれない。だから、今だからこそ「愛のスカイライン」なのかもしれない。


もう一つの印象深いもの、テレビアニメの「サザエさん」。フジテレビのホームページによれば、「サザエさん」が放送開始したのは、1968年10月5日だ。スカイラインと違って、こちらはモロに日常生活を描いたアニメ作品だ。面白いのは、「サザエさん」の一家は40年たった今も、変わっていない点。家族やご近所さんとの付き合いも1968年当時の日本を象徴するような雰囲気を丸出しにしている。40年もたった今ならば、サザエさんの家の周りも高層マンションだらけだろうし、サザエさんの家ですら2世帯住宅になっているのが今の一般的な姿だと思し、マスオさんの帰宅時間だって残業でもっと遅いはずだ。
つまり、40年前は、日本の日常を描いた作品だったものが、40年間変わらずにいることによって、今では暖かみのある憧れを感じさせる非日常的なアニメの位置づけとなった。その結果、今でも高い支持率を誇るアニメとなっているのだと思うわけだ。

今年、ともに生誕40周年を迎える「サザエさん」と「愛のスカイライン」。「サザエさん」は40年間変わらないスタンスを保ち続けた。一方の「スカイライン」は紆余曲折の40年をたどった。この二つ作品の歩みを見比べることで、現状を打破するヒントが見つかるかもしれないなどと、「サザエさん」生誕40周年記念番組を眺めながら思った次第。