仕事がらレースや新車の試乗会で富士山方面に出かけることが多い。
普通は高速道路で一気に往復するのだろうが、2,3年前から高速を使わずに東京から往復するようになった。

どうせ渋滞に巻き込まれるのだから、人生、少しばかり早起きして楽しんだ方がいいと思ったからだ。渋滞の中でイライラするくらいなら、のんびりと山の空気を味わいながら走った方が、はるかに精神衛生上もいい。

その際に使うのが『道志みち』だ。

相模湖から山伏峠を経て山中湖に抜ける国道である。
『道志みち』の名は、関東の走り屋なら知っている人も多いはず。東京方面から行く場合は、大垂水峠も楽しめるし、FISCOまで足を伸ばすならば、明神峠も楽しめる。まさに走り屋にとっては絶好のコースなのである。

実は、はるか昔の青春時代からこの道を走っていた。30年近く前は、一部にダート区間もあり、コーナーも小さく回りこんでいた。現在は、道幅も広くなり曲がりくねっていた道も直線的に修正され、走りやすくなっている。そのせいか、休日などはバイクのツーリングなども多くなった。

『道志みち』を使うことにより、思わぬ副産物も発見した。試乗会の時などは適度に体も温まり、リズムもつかめているから調子がいいのである。

もうひとつ、自分が本当は何が好きなのかが見えてきた。かつては、いわゆるクルマ好き、あるいは走り好きという言葉でひとくくりにしていたが、最近『道志みち』を走るようになってからは、「俺は曲がりくねった道を走ることが、本当は好きなんだ」ということがわかってきた。少しキザな言い方をすれば「道を楽しみたい」のである。だから、いい車に乗りたいのであり、思うように走れるGT-Rに引かれるのである。

これをスキーに置き換えれば、板やブーツを楽しみたいのではなく、あのコブの斜面を思い通りに滑りたいという欲求と同じことになるわけだ。もちろん、クルマの場合はより複雑だから、クルマそのものを楽しむ手もあるだろう。読者諸兄の場合はどうであろうか。

そう言えば、山伏峠を抜けたあたりから視界が急に開け、富士山の絶景が素晴らしい。かつて、この景色が好きだと言った奴がいた。それもまた『道志みち』の楽しみのひとつ。さらに、足を伸ばして明神峠に向かえば、絶好の富士山撮影ポイントもある。

この連休、富士山方面にお出かけ際は、のんびりと『道志みち』を楽しんでみてはいかがだろうか。
本当に好きなものが見えてくるかもしれない。