野田首相、ゴーン社長
9月19日、野田佳彦新首相が日産の横浜工場を訪問され、同社社長のカルロス ゴーン、最高執行責任者の志賀俊之と産業政策について意見交換を行いました。

野田首相は、円高や欧州の債務危機に対する懸念を示す一方、国内成長の強化への期待についても言及しました。

意見交換に先立ち野田首相は、工場内のモーター組立ラインを視察され、その後、ゴーン、志賀を始めとする関係者と現在の自動車業界が抱える問題について議論を交わしました。

意見交換を終えてゴーンは、「私からは、あまり長い要望リストを出すのではなく、私の目から見て、日本の産業が直面している最大の課題に焦点をあててお話し申し上げました。最大の課題とは、すなわち非現実的な円/ドルレートです」と述べました。

記録的な水準となっている現在の円高は、東日本大震災からの復旧・復興を遅らせる脅威となっており、製造業者の海外へ事業移転を促す一因にもなっています。

日産は国内生産100万台の維持を明言していますが、ゴーンは日本から輸出を行うメーカーに対する政府の支援の必要性について、「総理には、今の(円高ドル安の)状態が続けば、今後国内に新規プロジェクトを導入していくことが難しくなり、さらに日本をこれからも開発と生産の主要拠点として維持していくこともままならなくなるということをお伝えしました。今回の意見交換で、我々企業は(日本に)期待し、(日本を)支持し、(日本で)戦う姿勢があるということを申し上げ、そのために最も深刻で重要な影響のある障壁、すなわち超円高という逆風を取り除いていただきたい、ということをお願いしました」と語りました。

野田政権は来月、震災からの復旧・復興や円高対策などを目的とした第3次補正予算案を提出する予定です。日産を含めた日系自動車メーカーはすでに震災前のレベルまで生産が回復しており、今後の産業支援策に期待を寄せています。