R35のトランスミッショントラブルだが、不具合のパターンがようやく見えてきたようだ。いわゆる、ミッションブローというような機械的な破損、歯車が欠けたりシンクロが壊れたりするようなトラブルは今のところ国内では見当たらない。700ps以上のパワー出しているチューニングショップのデモカーでも機械的なトラブルの話は今のところ皆無だ。過去のGT-R用のマニュアルミッションよりも余程、機械的強度は高いとみえるのだ。

では、現在日本国内で発生している不具合とはどのようなものだろうか。ミッションの操作系に関するトラブルが2パターン。フロントドライブギャに関するトラブルが1パターンである。つまり、6速ギヤ本体のトラブルは今のところ報告されていない。3つのパターンのトラブルを報告しよう。

【クラッチ用オイルシール破損】
奇数段、偶数段のギヤ用の2つのクラッチを操作するオイルピストンのシールの破損
■不具合現象
突然、奇数段、もしくは偶数段のギヤがシフトできなくなる。
■対策
オイルシールは日産自動車から交換部品として販売はされていないが、国内外のパーツメーカーやショップから交換部品が販売されているので、これに交換すれば修理は可能。さらに、09ソフトにアップデートすることを各チューニングショップでもすすめている。このオイルシールトラブルは初期の頃に発生したが、話題が大きいわりに発生件数は少ない模様。

【シフトソレノイドの固着】
各ギヤをシフトする油圧ソレノイドのトラブル。ソレノイドは6速分あり、どれか一つが固着するとフェイルに落ちてシフト操作ができなくなる。
■不具合現象
奇数段あるいは偶数段しかシフトできない。あるいは、シフトの置き去り(特定のギヤにシフトされたままでシフトチェンジできない)が発生。
■対策
原因は、ソレノイドのピストン側にシフト位置を検出するマグネットセンサー用の磁石が組み込まれており、この磁力により鉄分がピストンに付着し、シリンダー側に噛み込み動作不良を起こす。走行距離に応じて発生頻度が高くなるためか、最近、見られる不具合だ。恒久対策ではないが、シフトソレノイドを分解洗浄すればミッションは復元できる。この油圧ソレノイドも単品販売はされていない。予防策として、こまめにミッションオイルを交換、さらに定期的にオイルパンを外し油圧ソレノイドに付着した鉄分を洗浄することが有効だ。R35を取り扱うチューニングショップでは、こうした作業を行っている。ちなみに、ディーラーではアッセンブリー交換しかしないので、保証対象外の場合(チューニングをした、あるいはサーキット走行後のメンテをしていなかったなど)は270万円の出費を覚悟しなければならない。




【フロントライブギヤ】
フロント側に駆動を伝えるギヤを保持しているCリングが外れることでギヤも外れてしまう。
■不具合現象
突然、ミッションからガラガラと音がでる。
■対策
ゼロヨンが盛んな北米や豪州では初期のころから発生した不具合で、既に対策部品も販売されている。日本では少なく当サイトが把握しているのは2件のみ。どのような条件で発生する不具合なのかは、今のところ不明だ。
海外の対策部品は既にご紹介したように、ボルト・ナットで固定するタイプとCリングの強化品が存在する。不安ならば、予防策としてこうした対策を行っておくのが良いかもしれない。

【その他】
ミッションの不具合ではないが、フライホイールハウジングのガタが結構、発生している。エンジン側からカタカタと大きな音がしだしたら、まずここを疑ってみる必要があるだろう。プロペラシャフトのフランジを外し揺さぶってみると、上下方向にガタがある場合が多い。酷くなるとスラスト方向(車両の前後方向)に大きなガタがある場合もある。この部品は8万円程度で日産から販売されているので新品に交換すれば修復可能だ。最新のフライホイールハウジングはガタ対策が実施されているとの話。詳しいレポートは近々に報告しよう。