エンジン
新世代のスーパーカーであるNISSAN GT-R専用エンジンは、その卓越した走りのために要求される車両重量配分と動力性能を実現するために開発した新型3.8リッターV型6気筒ツインターボ「VR38型」エンジンです。このVR38型エンジンは、本体部品の強度・剛性向上はもとよりシリンダーライナーレス構造として新開発『プラズマコーティングボア』の採用と日産のモータースポーツ活動で培ってきたノウハウを活かしたIHI製ターボチャージャーを用い、タービンハウジングとエキゾーストマニホールドを一体化した超耐熱鋼インテグレーテッドシステムにより、3200~5200rpmの広いレンジで最大トルク60kgm(588Nm)を生み出します。そして、この強力な加速は0→100km/hまでを3.6秒で走り切ります(参考:エンジン出力353kW(480PS)/6400rpm)。また、日常シーンにおいても広いトルクバンドにより誰でもその走りを堪能できるエンジン性能となっています。
さらに、『プラズマコーティングボア』構造と排気2次エアシステム等の採用により、スーパーカークラストップレベルの低燃費と平成17年基準排出ガス50%低減レベル(U-LEV)を受ける環境性能を実現しています。
また、エンジンの組み立てにおいては新世代のスーパーカーに相応しい高品質なエンジンとするためにクリーンルームで匠の技を持つ一人の熟練工がエンジン組み立てを行うとともに、全数低速から高速まで出力性能を検査した上で、ユニット工場から出荷します。



特長:

1. プラズマコーティングボアによる高出力実現と燃費向上
プラズマコーティングボア構造(ライナーレス化)を採用することにより、鋳鉄ライナーを廃止し熱伝導の良いアルミボアとして冷却性能を大幅に向上し、ノッキング性を大幅に改善、高出力と燃費の向上を実現しました。
(鋳鉄ライナーに対して、プラズマコーティングボアでは6気筒合計で約3kgの軽量化を達成)


2.高性能100%化学合成エンジンオイルの採用
高速、高負荷運転でもエンジン性能を十分に確保するためにエクソンモービル社と共同で開発を進めてきた「膜厚保持性、極圧性」の高い高性能100%化学合成油 Mobil-1 0W-40のエンジンオイルを採用しています。(これ以外のオイル使用は保証対象外となります)

3.インディペンデントインテーク&エキゾーストシステムと電子制御過給圧の採用
高出力化に要求される吸入空気量の増加とアクセルの動きに素早く反応するレスポンスを両立するためインタークーラーサイズ、吸排気系の径と長さを最適化しました。更にあらゆる走行シーンで要求される吸入空気を効率よくシリンダーに送るために左右2つの電子制御スロットルを採用したツイン吸気システムと、吸入した空気を対向バンクの気筒に送り左右のターボチャージャーをバランスよく過給するクロス過給システムを組み合わせたインディペンデントインテーク&エキゾーストシステムを採用しました。
また、気温や気圧などの環境条件の変化に対し安定した出力とレスポンスを確保する電子制御過給圧を採用することで、VR38型エンジンは常に最高の性能を発揮します。



4.排気2次エアシステムの採用によるクリーンな排出ガス
排気2次エアシステムの採用により触媒を早期に活性させることで平成17年基準排出ガス50%低減レベル(U-LEV)をクリアしています。


5.全域空燃比フィードバック制御による燃費向上とクリーンな排出ガス
全域での空燃比フィードバック制御を行なうことによりスポーツ走行等の高負荷運転領域では燃費を約5%向上させると共に、通常走行シーンでは3.5Lクラススポーツタイプエンジンの最大トルクをも上回る40kgmを含めた広い範囲で、触媒が効率よく働くストイキ混合比(理論空燃比)での運転を実現させました。あらゆる走行シーンにおいて燃費向上とクリーンな排出ガスに大きく貢献しています。


6. サーモスタット付空冷オイルクーラーと高旋回1.8G対応ラテラルウエット&ドライサンプシステム
スポーツ走行などの高負荷運転において温度が上昇するエンジンオイルを冷却するため、空冷式オイルクーラーを採用すると共に、オイルクーラー専用サーモスタットを設定することで空冷オイルクーラに流れるオイル量を常にコントロールし温度を最適にしています。また、スポーツ走行などで高い旋回Gがかかるような状況でもエンジンオイルの供給と回収のバランスを保つため、ターボチャージャーのオイルはスカベンジポンプで強制的に回収、さらにエンジン内部のオイル回収構造を最適化したラテラルウエット&ドライサンプシステムを採用し、あらゆる走行シーンでエンジンオイルを安定的に回収し油圧を確保しました。