Text: Hironobu Yamamoto
Photo: GT-R Magazine
By courtesy of GT-R Magazine.
「R34 GT-Rが生産中止? そんな馬鹿な・・・・・・。一体この先どうしたらいいんだ」
2002年8月、あの日の帰り道、俺はあてどもなく街をふらついた。編集者として前だけを見てひたすら走り続けてきた俺の心を深い闇が覆った。


 聞けば新型の登場は5年後。しばらくの間、俺は言葉を発することさえできなかった。
GT-Rマガジン休刊?」
 周囲の声は日を増すごとに大きくなる。
「ひとつの幕引き。大事な仕事だ」と経済同友会代表幹事の秘書を務める先輩が俺を慰める。雑誌の命が終わる瞬間を見届けることも大事な仕事だろう。だが、GT-Rマガジンを俺の手で休刊に追い込むわけにはいかない。
8年続いた伝統を、初代編集長杉野勝秀氏の思いを消すわけにはいかない。
GT-Rマガジン表紙
 一方で全国を取材でまわるなかで読者やスカイラインファンが、「GT-Rマガジン終わらないですよね? お願いですからずっと出し続けてください」と俺に語りかける。
 赴く先々で俺は激励を受ける。
「みんなの笑顔が俺の生き甲斐。この人たちのためにも出し続けなければ」
 腹は決まった。
 なりふり構っていられない。一瞬たりとも止まってしまえば雑誌はおろか自分もダメになる。俺は全身全霊をかけて雑誌作りに邁進。
 ひとり、ふたり、またひとり、チューナーが俺に助け船を出してくれる。嬉しかった、ありがたかった。
 全国のGT-Rオーナーが今まで以上の情熱で応援してくれる。涙が溢れた・・・・・・。
 2007年10月24日。ついに新型R35 GT-Rが誕生。東京モーターショウ会場、俺は日産ブース最前列に陣取るものの、新型GT-Rの姿が良く見えない。とめどなく溢れる涙のせいで。
「おめでとう日産。ありがとうゴーンさん」
 会場を後にした俺は何度も心の中で繰り返した。

 今、安堵の気持ちでいっぱいだ。これから新型GT-Rがどのようにして人々の心を魅了していくのか? 楽しみである。
 そして時を同じくして生まれたGTR-WORLD.netと共に素晴らしき世界を創造していきたい。
 この場を借りて杉野勝秀編集長に感謝すると共に俺はGTR-WORLD.netとの共闘を誓う。

山本浩伸
山本浩伸
昭和42年8月18日生まれ
千葉県出身
GT-Rマガジン編集長

大学卒業後マリンスポーツ雑誌「オーシャライフ」編集部所属。
ヨットレースやモーターボートの試乗記を担当。4年間勤務し海から陸へ上がる。
向かった先はカートップ編集部。1999年1月GT-Rマガジンへ異動。
以後GT-Rオーナーの笑顔を生き甲斐に活動。
編集長として5年目に突入した