2007年10月24日──。この日をどれだけ多くのファンが待ちわびていたことだろう。2001年の「コンセプト」、そして2005年の「プロト」と第3世代を連想させるGT-Rが過去2度に渡って東京モーターショーに華を添えた。とはいえ、第2世代までのGT-Rに慣れ親しんできた方々には、今ひとつ実感が沸かなかったのではなかろうか。
Text: Koya Noda
Photo: GTR-WORLD.net
By courtesy of CARTOP.
 期待と不安が交錯するなか、いよいよ新型「R35GT-R」が発表された。
 私はCARトップ編集部に配属される以前、2004年1月から2006年12月まで姉妹誌GT-Rマガジン編集部の一員としてまだ見ぬ第3世代Rへ想いを馳せていた。もちろん、現CARトップに異動後もその姿を追い続けてきた。新型R35GT-Rが正式発表された今、私の心境は正直なところ“複雑”である。

 2年前に東モの会場でプロトを目の当たりにした際、“ブッ飛んだ”スタイルに「ほんとにこのカタチで発売するのか?」と疑ったりもした。若干のモディファイが加えられたとはいえ、ほぼプロトのデザインを継承してデビューしたR35は、不思議なことに2年経った今では「悪くない」と思える。これまで厳重にガードされてきたスペックも、ある程度は予測の範疇だった(想像を超えていた部分もあるが)。
 日産が謳う「マルチパフォーマンス・スーパーカー」というR35のキーコンセプトは、じつに明快だと思う。後発としてスーパーカー市場に参入するからには「他にない何か」が求められる。そういう意味では「いつでも・どこでも・誰でも」超高性能を堪能できるというのはどのメーカーにも真似できない日産GT-Rの専売特許となるだろう。777万円〜というプライスも、性能と造りを考えれば安すぎるくらいだと思う。

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 では、なぜ心境が“複雑”なのか? それは、第3世代GT-Rの歴史はまだ1ページ目が開かれたばかりにすぎないからかもしれない。GT-Rとは、造り手やオーナー、ファンたちの魂と情熱が宿る類い希な名車だと思う。1989年に復活を遂げたBNR32の時も「凄い!」と感動する反面、どこか複雑な気持ちになったことを思い出す。
 R35のCVE兼CPS・水野和敏氏は「造り手の顔が見えるクルマ」を常に意識してきた、と私に語ってくれた。歴代GT-Rも造り手の顔が見え、その魂が滲み出ていたからこそ伝説となり、今なお色褪せることなく多くのファンに支持されているのだと思う。ド級のスペックもさることながら、R35にも伝説となり得る資質は十分にあるはず。これからは、実際にステアリングを握るオーナーやファンの方々、そして我々メディアが第3世代GT-Rの歴史に筆を入れていく番だ。

 最後に──R35の誕生とともにスタートした「GT-R WORLD.net」へこの場をお借りしてひと言。この度はウェブ開設おめでとうございます。杉野編集長をはじめ、竹内副編集長、ウェブディレクターの井上氏とは古くから親交がありますが、みな生粋の「GT-R野郎」です。全世界のGT-Rファンに愛されるサイトに発展されることを心よりお祈り申し上げます。

野田航也カートップ副編集長
野田航也(のだ こうや)
1970年生まれ CARトップ副編集長


大学在学中よりベストカー編集部でアルバイトをはじめ、1994年11月に(株)交通タイムス社へ入社。
チューニング雑誌ヤングバージョン、GT-Rマガジン編集部を経て2007年1月よりCARトップ編集部へ配属。
GT-Rマガジン在籍時より“次期型”GT-Rの姿を追い続け、現CARトップではスクープも担当。
いつかR35でニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを思う存分攻めたいと思っている今日この頃。