<<1.NISSAN GT-Rのパッケージ>>
従来のスーパーカーは、走る道、天候、ドライバーのテクニックなど、ある意味でユーザー層を限定したマーケットと考えられていました。 しかし、NISSAN GT-Rのパッケージは、両立が不可能と考えられている実用性を併せ持ち、『誰でも、どこでも、どんな時でも』と、あらゆるシーンで最高のものとする新次元のマルチパフォーマンス・スーパーカーを実現させています。そして、加速性能に加え、アクティブセーフティを主体に『曲がり、止まる』を高次元で創り出しました。



<<2.プレミアム・ミッドシップパッケージの採用>>
NISSAN GT-RはFM(フロント・ミッドシップ)パッケージをさらに進化させた、新開発プレミアム・ミッドシップパッケージを採用しました。
『Forth of the Earth』―自然の力を最大限に活用する―
クルマ本来のあるべき姿を原点から発想し直し、『地球の力(重力)と車が走ることで発生する慣性力』をタイヤのグリップ荷重に変え、『空気の力(空力)』を安定性を確保するための力に変えました。さらには、アクティブセーフティを徹底的に追求するために、全てのコンポーネントを見直しました。
その答えが、世界で初めてクラッチ、トランスミッション、及び、トランスファーを車両後方に移動させ、リヤファイナルドライブと一体化し、前後をカーボンプロペラシャフトで結合した、NISSAN GT-Rだけが持つ独自の駆動方式『独立型トランスアクスル4WD』(日産特許)の誕生です。

2-1.4輪への接地荷重の安定化
従来のクルマは、見えない空気の壁の抵抗やフロントの空力リフトにより、前輪が浮き気味になり、荷重が抜ける傾向がありました。加速時には駆動力がかかる後輪に荷重が移動し、さらに前輪から荷重が抜け、ハンドルが軽くなり安定感が減少します。特に雨天時は空気密度が高くなるため、より一層前輪のリフト傾向が増加し、ハイドロプレーン現象を起こしやすくなります。
4輪の荷重の安定化のために、パッケージングを基本から見直し、地球の力を最大面に活用するパッケージングとしました。


<荷重配分の最適化>
また、従来のクルマの荷重配分は、停止時の静的な荷重配分で論じられてきました。しかし、『走り、曲がり、止まる』という基本性能を究極まで高めるために、フロントタイヤへの荷重はエンジンが、リヤタイヤへの荷重はトランスアクスルが与えるというように、前後輪への慣性荷重の動きを完全に切り離し、独立させました。さらに、トランスアクスルの搭載位置をリヤ・ホイールセンターよりも下げることにより、後輪軸上の重心位置を下げています。慣性荷重を使いこなす領域まで踏み込んだNISSAN GT-Rでは、ブレーキング時、コーナーリング時など、あらゆる走行状態で極端な荷重移動なく、究極のフラットライドを実現しています。



<ディメンジョンの最適化>
クルマとしての基本ディメンジョンの最適化も行っています。パワーウェイトレシオとトルク・ウェイトレシオの最適化、パワーとトルクを受け止めるための、タイヤの接地面積を最大化するため、大径・大容量ランフラットタイヤを採用。ホイールベース・トレッドに対し、重量物を車両中央に配置。そして、『走り、曲がる』を受け止める、強力な制動力を発生するブレーキの採用。これらのディメンジョンの最適化により実現された4輪への接地荷重の安定化は、コーナーリング性能の限界とスタビリティの向上、ピッチングの収束性、減衰力・制動力の向上と姿勢変化の減少(特に、尻上がりの無い、後輪制動力の有効活用)に繋がっています。
1.走る

2.曲がる

3.止まる


<Fun to Drive領域の拡大>

また、プレミアム・ミッドシップパッケージを採用することで、「誰でも、どこでも、どんな時でも」あらゆるシーンで最高のものとする新次元のマルチパフォーマンスカーを実現させると共に、アクティブセーフティを主体に「走り、曲がり、止まる」を高次元で創り出すことができました。

2-2.パワートレイン冷却性能と空力性能の両立
新開発プレミアム・ミッドシップパッケージは、パワートレインの冷却と空力性能の向上という、相反する性能の両立を可能にしています。エンジンのすぐ後ろにあったトランスミッションを後方に移動したことで、エンジンルームに入った空気はエンジンの上面を通りぬけ、フロアトンネル内に流れ込み、トランスアクスルを冷却しながら後方に抜けていきます。これにより、パワートレインの冷却性能が飛躍的に向上しました。また、エンジンルームからフロアトンネルへの流れを作り出したことにより、レーシングカー同様、床下が空力ダウンフォースコントロールに使えるようになりました。




<エアロダイナミクスと冷却性能>

2年間、ヨーロッパで開発を効果的に行うためにロータス社を活用、また、日本においては1年半にわたって鈴鹿美隆氏とムービングベルトタイプ風洞を使った空力開発を行い、従来不可能とされていた低Cd値(0.27)と強大なダウンフォースを両立し、レーシングカーを凌駕する空力性能を実現しました。フロント、リヤのダウンフォースを増大させることでタイヤグリップの向上させ、特に雨や雪道でのアクティブセーフティ性能を向上、合わせて空気抵抗を低減し、燃費を向上も両立しています。


<風音の低減>
ボディ各部の形状を丹念に見直すことにより高速走行時の風音を低減し、また、車両下面のアンダーカバーによる整流とフロア貫通孔の最小化により、床下のザワツキ感が押さえられています。そのため、アウトバーン走行で300km/h走行していながら、隣の人との会話を可能にしました。



2-3.パワートレイン振動の低減
独立型トランスアクスル4WDを採用するプレミアム・ミッドシップパッケージでは、パワートレイン振動の低減と、高速走行域での耐久強度ポテンシャルを大幅に向上することが可能です。 エンジンとトランスミッションはそれぞれ独立して防振マウントされており、かつトランスミッションはドライバーから遠くに位置するため、運転席付近でのこもり音が減少し、スッキリしたエンジンサウンドを実現しています。これは、従来エンジンとトランスミッションが一体となって発生させていた4000回転付近からの機械的な振動音が無くなったためであり、高速走行時でも静かな室内を実現しています。
振動減衰性の高いカーボンプロペラシャフトにより分離・結合されているエンジンとトランスアクスルは、従来FR-4WD車両に対し、それぞれのユニット全長が短縮されています。従って、高速走行時のパワートレインの耐久強度性能が飛躍的に向上し、高速走行のポテンシャルを高めることが可能となっています。

<音ノイズ・振動性能ポテンシャルの向上>


<高速耐久強度性能ポテンシャルの向上>


<<3.ドライビングポジションとユーティリティ>>
プレミアム・ミッドシップパッケージの採用により、従来なら前席足元付近に存在したトランスミッションを後方に移動したことで、キャビンの足元スペースを拡大しました。それにより、理想的なペダル配置を実現することが可能となりました。また、ランフラットタイヤの採用により、広くフラットなトランクスペースも実現しました。
<ドライビングポジション>
スーパーカーとして理想的な運転姿勢の実現
* ヒール段差(踵からヒップポイントの高さ):200mm
* ステアリング操作角が常に最適となるよう、根元チルト方式を採用
* 最適なステアリングポジションに調整可能
(チルト量:60mm、テレスコ量:60mm)

スーパーカーマーケットで、最も広い乗員カバーエリアを実現
* ロングシートスライド:228mm、リフト量:30mm
* 小柄な女性から大柄な男性まで(身長144cm~190cm)最適ドライビングポジションに調整可能

唐突感のない、理想的なペダルレイアウト
* ペダルストローク延長:65mm (55mm)
* 踏み込み角度最適化:42.5度 (37.5度)
* アクセルペダル踏面滑り量: 4.3mm
(カッコ内はZ33)

<コックピット>
ハイスピードドライビングでもスーパーカーの運転に集中できるよう、ドアミラー、コンビネーションメーター、センターディスプレイを水平配置し、運転中のドライバーの視線移動を最小限に抑えるようにしました。

<トランクルーム>
ランフラットタイヤの採用によりスペアタイヤを廃止し、深くフラットな床面とすることで、これまでのスーパーカーにはない広く大きなトランクルームを実現しました。ゴルフバッグは2セット(8.5インチ)、スーツケースは、特Aサイズ、Cサイズを各1つずつ積載可能です。
(トランク内高さ:435mm、奥行き:850mm、横幅(最大):1470mm)