GT-Rにも待望のセミオートマミッションが搭載された。デュアルクラッチと日産では呼んでいるが、ゴルフやランエボなどに搭載されているツインクラッチシステムと同系列のシステムだ。2速で走行中は3速ギヤが待機、パドルスイッチを操作した瞬間にクラッチを切り替えるというもの。GT-Rのシフトスピードは0.2秒という速さが凄いのだ。通常は、ギヤセレクトのタイミングを表現しているのだが、GT-Rの場合はパドルシフトを操作してから、リヤタイヤが駆動するまでの時間を言っている点が他と違う。この0.2秒を達成するためには、各歯車のガタ、プロペラシャフト&ドライブシャフトのガタ、それぞれの勘合部のガタを詰めていかないと達成できない数字なのである。したがって、他社と同じ表現をするとすれば「0.2秒以下」ということになるから凄いのだ。

Text: Shunsuke Takeuchi
Photo: GTR-WORLD.net



 さて、その0.2秒のシフトワークを達成するために、バックギヤを含めたすべてのギヤにトリプルコーンシンクロが奢られている。一般的にシンクロの素材は真鍮が使われていて、摩擦材は使用されない。しかし、GT-Rの場合はシンクロにクラッチディスクと同じ摩擦材が使われているのだ。結果、シフトチェンジの際の同期時間を短縮でき、素早いシフトチェンジが可能となった。

シックスプレートクラッチ!?
 クラッチは摩擦材にカーボンコンポジット材を使ったシックスプレートクラッチが装着されている。シックスプレートというと少々驚かされるが、実はトリプルプレートクラッチがデュアルで装着されているとなれば納得。それでも市販車として考えれば驚きに値する。ところで、トリプルプレートともなると、シャラシャラとした音が気になるところだが、GT-Rの場合は湿式タイプなので心配ない。ギヤと同じくミッションオイルの中にクラッチが存在するのだ。このため寿命も圧倒的に長くなり、普通に使っている限りではクラッチ交換の心配はなさそうだ。第2世代GT-Rではクラッチのチューニングが定番アイテムだったが、新型の場合はまさにチューニングに必要はなさそうだ。むろん、現段階ではこれを超える強化クラッチも存在しない。

カーボンプロペラシャフト
 回転部品の軽量化は、レスポンスを向上させる上で重要だ。GT-Rのメインのプロペラシャフトはカーボン製になった。その効果はレスポンスの向上と軽量化だけに留まらない。通常、鋼管製のプロペラシャフトの許容限界速度は約250km/hだ。このため、R34 GT-Rの輸出仕様も250km/hでリミッターが作動した。テレビでもゴーン社長が言っていたように、「GT-Rは300km/hで会話をしながら普通に走れるクルマ」というのはこうした技術的背景があったのだ。ちなみに、ポルシェ(RR車)やフェラーリ(MR車)にはプロペラシャフトがない。