「噂されているような"Vスペック"は出ません」

Text: Shunsuke Takeuchi
Photo: GTR-WORLD.net
なんともショッキングな発言が、新型GT-RのCVE&CPSの水野和敏氏によりなされた。ただし、かなり使用目的が限定されたモデルは出すという…。

その名称は「Vスペック」ではなく、スペックVだ。
理由は、海外で商標登録に抵触する恐れがあるとのこと。グローバルに販売されるプレミアムスーパーカー・新型GT-Rならでは悩みなのだ。

今回の「スペックV」に関する水野発言をまとめると…

1.価格は今回発表されたGT-Rよりも数百万円高い
2.ナンバーは取得可能
3.サーキット特化型のかなりスパルタンなクルマ
4.インシュレーター(防振・防音装備)などの快適装備はない
5.ブレーキローターとパッドの交換だけでも300~400万円のメンテ費がかかる
6.エアコン、オーディオの搭載については未定
7.月産台数は世界規模でも20~30台程度


つまり従来の「Vスペック」とはかなり位置づけの異なるクルマになるわけだ。その理由は、基準車のGT-Rの性能が高くなった点にあると水野氏は言う。さらなる性能向上を目指すにはサーキット走行に特化したクルマにするしかないのだと…。従来の「Vスペック」のイメージで待っている方にとっては、少々、予想外の展開かもしれない。

さて、以上の情報を元に「スペックV」を推定してみると、価格は1300~1500万円になる見込み。文字通り価格面においてもスーパーカーの仲間入りを果たすことになる。
エンジン出力は、お役所の手前、今以上のパワーアップは期待できないと見るべきだろう。となれば車体の軽量化だ。
「かなりスパルタンなクルマ」という点において、水野氏は「カップカーベースのようなもの。ポルシェGT2やGT3よりもスパルタン」と付け加えている。インシュレーターレスとのことだから、カーペットすら装備していない可能性がある。室内騒音は覚悟して乗るべきクルマのようだ。

また、ブレーキのメンテ費が高額と述べていることから、軽量なカーボン製のブレーキシステムが奢られる可能性は相当に高い。前2座席のシートはカーボン製のフルバケットタイプに変更し、軽量化を目指すのが定石だろう。エアコンとオーディオは、サーキットに特化したクルマであることと、軽量化の観点からも装備されない可能性が非常に高いと見た。
一方、サスペンションもサーキット走行専用に見直され、スプリングレートの変更と共に、アクティブサスペンションの制御も見直されるだろう。当然、街乗りの乗り心地もハードなものが予想される。

もう一つ、気になるのがリヤのLSD。新型GT-Rでは機械式のLSDが装着されているのだ。R34 GT-Rまでの「Vスペック」はアクティブLSDだったが、今回の「スペックV」ははたしてどうなるのかという点だ。我々は、日産グループCカー全盛時代に装着されていた日産オリジナルのオリフィスLSDが搭載されるのではないかと予想している。当時、このオリフィスLSDは世界的にも注目され、F1チームを含む複数のレーシングチームからもオファーがあったシロモノだ。グループCチーム監督だった水野氏のこと、日産オリジナルLSDを「スペックV」に搭載する可能性はかなり高いとみている。
とは言え、これらは妄想の世界。「スペックV」がどのようなクルマとして出てくるか、当分は楽しめそうだ。

では、なぜ日産はこのようなクルマを造るのだろうか?
おそらく、ワンメイクレースのようなイベントを計画しているのではないだろうか。それもポルシェが行っているカップカーレースのようなものと我々は予想する。