ドラマはラスト10周に起こった
#1モチュールオーテックGT-Rが目前の勝ち星を落とす

#38ZENT セルモSC430が逆転勝利














秋のF1開催に向けた大改修を終えた鈴鹿サーキット。そのこけら落としのレースとなったSUPER GT第2戦。スタートは混乱もなく、ポールの#1モチュールGT-Rがホールショットを奪う。それに続くのは#38ZENT SC430、#3トミカGT-R。
#1モチュールの本山は、後続を引き離すために飛ばし始める。#38zentのライアンは引き離されまいとそれを追う。その差は0.3秒。
6周目。最初はハイペースだった#1のペースが鈍り、2位以下が接近してくる。2位以下は、#38ZENT、#3トミカ、#36ペトロナス、#12インパルの順。トップ5台の差は2秒以内。

#1モチュールはペース上がらないのではなく、どうもタイヤをセーブするためにラップタイムをコントロールしているようだ。
8周目には、混乱するシケインの入り口で#36ペトロナスが#3トミカをパス。GT-R勢で唯一ミシュランタイヤを履く#3トミカのペースが上がらない。#3トミカは11周目に最終コーナーで#12インパルにもパスされてしまう。
15周目以降、#1モチュールの本山がジワジワと後続を引き離しにかかる。2番手#38ZENTとの差は5秒以上と開いてきた。その#38ライアンの背後には、#36ロッテラーと#12松田次生が迫ってきた。#38と#36のsc430同士の戦いは激しさを増す。

そのSC430同士の戦いの均衡が破れたのは26周目。3番手を走っていた#36ペトロナスが先頭集団では最初にピットイン。ドライバーをロッテラーから脇阪寿一に交代。2番手の#38ZENTと#12インパルは28周目に同時にピットイン。ピット作業の戦いになるが、わずかに早く作業を終えた#12インパルが#38ZENTの前に出てコースに復帰。しかし、先にピットインした#36ペトロナスがアウトラップの#12インパルに襲い掛かり実質2番手の座を奪うことに成功。

トップを走る#1モチュールの本山は、28周目にピットインしトレルエに交代。ニスモのピットクルーは28.2秒の早業でコースに送り返す。32周目に、暫定トップを走っていた#3トミカがピットインし、順位は#1モチュール、#36ペトロナス、#12インパル、#100レイブリックNSX、#38ZENTの順に。トップ#1モチュールと#36ペトロナスの差は12秒以上に離れる。

レースはこのまま#1モチュールのポールtoフィニッシュに終わると思われた残り10周。レースが大きく動いた。スプーン入り口で5番手から追い上げてきた#38ZENTの立川祐路が#12インパルの松田をパス。#38立川の勝利への扉が開いた瞬間だ。#38はガンガン飛ばし始め、2番手を走る#36ペトロナスの脇阪をおいはじめる
残り8周の時点で、トップを走る#1モチュールのトレルイエのラップタイムが2分フラットとペースが上がらない。それを追う2番手#36脇阪が1分58秒台、3番手立川が1分57秒台だ。残り6周でそれまで12秒あった#1と#36の差が27と大幅に縮まる。

#1モチュールのトレルイエにトラブルが発生したのは確実。もうレーシングスピードでは走っていない。スプーンの立ち上がりで#36に簡単に抜かれる。さらに130R手前で#38にも並ばれ、シケイン入り口でパスされてしまう。
残り5周。#36ペトロナスと#38ZENTの戦いは最高潮に。130Rからシケインにかけて隙を狙っていた#38立川が、シケインの進入でアウト側から#36脇阪にレイトブレーキングで並んで7これをパス。ついにトップに躍り出た。

ところが、残り4周のシケインで#8ARTA NSX、#3トミカ、#30 ISが絡んで多重クラッシュ。コースは塞がれなかったものの、セーフティカーが導入される。レースは実質的に中断。ストレートで一時停止して隊列を整え、残り2周を#38、#36、#12、#1、#6、#18の順で、セーフティカー先導で走るものの、そのままチェッカーとなった。#1モチュールの右リアタイヤは、モニターで確認できるほどカーカスが出ていた。ペースダウンの原因はこれだったようだ。しかし、#38とのバトルで相手のラインを妨げたことでペナルティを受け、暫定順位では11位に降格された模様。

GT-Rの6連勝が確実かと思われた#1モチュールの走りだったが、トラブルで目前の勝ち星を落としてしまった。これも今年からテスト回数が減り、2日間開催にスケジュールが短縮され、ロングランテストができなかったことが大いに関係しているだろう。もちろん、その環境はどのチームも同じなのだか…。



決勝レース 天候:雨 | コース:ウェット
GT500クラス/決勝結果
Pos. No. Car Driver Time/Diff. Laps Tire WH
138ZENT CERUMO SC430立川 祐路
リチャード・ライアン
1:54'52.99752BS10
236PETRONAS TOM'S SC430脇阪 寿一
アンドレ・ロッテラー
0'01.88852BS
312IMPUL カルソニック GT-R松田 次生
セバスチャン・フィリップ
0'05.21052BS16
46ENEOS SC430伊藤 大輔
ビヨン・ビルドハイム
0'09.58552BS2
518ROCKSTAR 童夢 NSX道上 龍
小暮 卓史
0'13.89752BS30
617KEIHIN NSX金石 年弘
塚越 広大
0'15.35452BS12
735KRAFT SC430石浦 宏明
大嶋 和也
0'17.53252BS4
824HIS ADVAN KONDO GT-RJ.P・デ・オリベイラ
荒 聖治
0'20.33052YH40
932EPSON NSXロイック・デュバル
中山 友貴
0'24.06352DL8
1039DUNLOP SARD SC430アンドレ・クート
平手 晃平
0'25.90452DL
111MOTUL AUTECH GT-R本山 哲
ブノワ・トレルイエ
0'33.36152BS
12100RAYBRIG NSX井出 有治
細川 慎弥
1Lap51BS6
133HASEMI TOMICA EBBRO GT-Rロニー・クインタレッリ
安田 裕信
5Laps47MI
148ARTA NSXラルフ・ファーマン
伊沢 拓也
5Laps47BS22
GT500 規定周回数:36

■優勝選手コメント
No.38 ZENT CERUMO SC430

立川祐路「(レース展開は)いろいろあって、もう忘れてしまいましたよ(笑)。ピットではエンジンがすぐに掛からなくて、ロスしてしまいました。でも、クルマは昨日、今日と非常に良かったです。タイヤに無理させたくなかったので、12号車をなかなか抜けなかったんですが、前が離れていったので、終盤はちょっと気合いを入れました。タイヤは問題なかったし、勢いもあった。脇阪選手とのバトルは、同じSC430で同士討ちはできないけど、お互い手の内も分かっているでの、一発(勝負)で行くしかないと。脇阪選手も無理はしなかったと思います」
リチャード・ライアン「ボクらにとっても、ファンにとってもエキサイティングなレースになったんじゃないかな。素晴らしい1日だったよ。レースの序盤は本山選手にプレッシャーを掛けたんだけど、難しかったね。でも、無理はしたくないので、あとは抑えて順位をキープしたんだ。ピットインでは時間をロスしてしまった。けど、その分、立川選手の走りは凄かった。素晴らしかったよ」