「これぞツーリンクカーレース!!」
マイナーツーリングレースが21年ぶりに走った!


70年代から80年代にかけて、F2やGCなどのメインレースを上回るほどの人気を博した伝説の前座レースが2つあった。そのひとつが、スカイラインシルエット、シルビア、BMW M1らグループ5マシンの「スーパーシルエット」、そしてもうひとつが、オーバーフェンダーとスポイラーで武装したTS仕様のサニー、スターレット、シビックが鎬を削った「マイナーツーリングレース」だ。
「マイナーツーリングレース」に参戦できるのは、排気量は1300cc以下のファミリーカー。当時の東名自動車などの腕利きのチューナーにより極限までチューニングされたエンジンの最高出力は、サニーのOHVエンジン(A12型)がF2用のBMW・M12エンジンのクーゲルフイッシャー製機械式インジェクションとスライドバルブを装備して10,000rpmでなんと175psを発揮。さらにDOHC16バルブのスペシャルヘッド(3K-R型)を搭載したKP47スターレットに至っては、10,500rpmで190psという驚異のパワーを発揮。ドアもボンネットもFRPで作られ、車重はB110サニーでわずか630kg程度。サスペンションも元の形式を保ちながらも大幅に改造されていた。サニーとKP47スターレットのリアサスペンションは、トラックのようなリーフリジッドだったのだが、リーフスプリングは残っているものの、4リンクやラテラルロッド付きに改造されていた。挙句の果てにはリーフスプリングはペラペラの帯板になり、新たにコイルスプリングを使ったストラットを追加したマシンまであったという。その走りはカミソリのような鋭いマシンだったのだ。
旧富士スピードウェイの長いストレートを4重連、5重連スリップストリームでバトル。最終ラップのゴールラインまで順位が入れ替わる激しいバトルに、グランドスタンドの観客は総立ちになった。
そのマイナーツーリングが、21年ぶりに富士スピードウェイに復活。B110サニー、B310サニー、KP47スターレット、KP61スターレットの懐かしい26台ものTSマシンがスターティンググリッドに並んだ。マシンは、本物のTSマシンでいわゆる「当時モノ」から最近製作された「レプリカ」までいろいろだが、現代のチューニング技術とパーツとスリックタイヤの性能向上で、80年代当時よりも速くなっているという。
懐かしいTSマシンのステアリングを握るのは、アマチュアのオーナードライバーに加え、影山正美選手、谷口信輝選手ら現役のGTドライバー、それに関実選手、浅野武夫選手ら「当時モノ」の本物のTSドライバーたち。
予選からコースレコードを連発し、決勝も真剣勝負。10,000rpm近く回しながらのバトルは、製造後30年以上を経過したマシンとは思えないほどの速さと迫力。スリップストリームを使いながらのバトルで、超高回転のエンジン音が共鳴しあう独特の雰囲気は、マイナーツーリングならではのもの。「これぞレース」といえる戦いに、初めてマイナーツーリングを見る観客も大いに盛り上がった。21年ぶりのレースは往年のマイナーツーリングやグループAレースのR31スカイラインGTS-Rで活躍した関実選手が優勝した。
この「走る文化遺産」のマイナーツーリングレースは、来年、富士スピードウェイに加え、鈴鹿サーキットでも開催される予定だという。




レーシングドライバーのOB戦「レジェンドカップ」
ノーマルカーでも魅せる走りと激しいバトルを披露


マイナーツーリングレースが古いマシンのOB戦なら、レジェンドカップは、日本のかつてのトップドライバーたちがロードスターのワンメイクで戦うドライバーのOB戦だ。
予選は年齢によるハンディ制で、「年齢マイナス50」秒のハンディが付く。ポールポジションは最年長の御年70歳の高橋国光選手。最年少は36歳の高木虎之介選手。
エキシビションマッチで全員が「ゆる~い走り」をするのかと思ったが、スタート直後から激しいバトルを展開。国さんを先頭に、グランドスタンド前ではスリップストリームで前車を押しながら走るなど、OB戦とは思えない過激な走り披露し、スタンドを沸かせる。そして、最終ラップでは関谷正徳選手を先頭に、黒澤琢弥選手、影山正彦選手が3台並びでゴールラインまでバトル。レーシングドライバーの本能は、いくつになっても変わらないことを証明。2レースの合計ポイントで優勝したのは、47歳の影山正彦選手だった。