前回は、昨年の十勝24時間レース参戦車両と今年のNISMOフェスティバルでスクープされたスーパー耐久テストカーの外観面での違いをお伝えした。

今回は、さらに細かいポイントをレポートしよう。
まず、エアジャッキノズルの位置が、十勝仕様では向かって左側にあったものが右側に変更されている。また、S耐テストカーのボンネットやトランクリッドはノーマルのようにヒンジはなく、全体が脱着できるようになっている。このため、メンテナンス性は良いようだ。

ところが、リヤトランクには何もなく、便利な荷物置き場となっている。十勝仕様ではトランク内の巨大なスペースを占めていた安全燃料タンクが、S耐テストカーには見当たらない。燃料タンクはなんと、運転席後部に移動している。重量配分上もかなり有利になるレイアウトだろう。

エンジンルームを見ると、十勝仕様よりもノーマル然とした印象だ。十勝仕様ではアルミ製の冷却水タンクが目を引いたが、S耐テストカーにはそれがない。また、エンジンカバーもテストカーには装着されていない。ただし、こちらはテストカーとしての作業効率を優先した結果か。




室内に目を移してみると、十勝仕様車ではボルトオンタイプのロールケージが装着されていたが、S耐テストカーは溶接タイプに変更され、ボディ剛性もよりシッカリとしたものになっているはず。特に、フロント部分は、十勝仕様車がダッシュパネルの手前でフロアに落とされていたため、ドライバーチェンジ時の乗降性に難があった。しかし、S耐テストカーは、ダッシュパネルを貫通するタイプに変更、乗降性も標準的なものになった。

さて、最も気になるのがタイヤだ。十勝では参加車中唯一、Sタイヤを使用していた。このため、ストレートスピードは群を抜くものがあったが、コーナリングスピードは遅く、苦戦を強いられた。マシン自体の動きにもキレがなく、外から見ていてもつらい戦いであったことが想像できた。今回のS耐テストカーは横浜タイヤ製の20インチスリックタイヤを装着。また、同じく20インチサイズのレインタイヤも用意されていた。このタイヤを見れば、ニスモが本気でS耐マシンの開発を行っていることがうかがえる。

当サイトのインタビューに対し、ニスモの眞田祐一社長が「来シーズンのどこかで、出たいというチームがあればニスモとしてもサポートしていきたいと思っています」と語っているように、全戦エントリーではなくスポット参戦を検討しているようだ。それも、R32時代のようにワークス参戦ではなく、ユーザーサポートの形態をとるとのこと。「それまでには、まだまだポテンシャルを高めていきますよ」と眞田社長は力強く語ってくれた。

いずれにせよ、来シーズンのデビュー戦が今から待ち遠しい1台である。さらに、GT-Rの参戦によりスーパー耐久シリーズが、注目を集めることも間違いないだろう。千両役者の登場は、多くのモータースポーツファン、そしてGT-Rファンの待ち望んでいることなのだ。