スーパー耐久にデビューしたNISMO GT-R RCは、溶接タイプのロールケージが採用された。十勝24時間車はボルトオンタイプで、ボディ剛性も生産車に近い状態だった。一方、今回のNISMO GT-R RCは、ロールケージによるボディ剛性向上の他、ドア周りも追加溶接で剛性アップを図っているという。使用するタイヤも十勝仕様ではSタイヤだったが、スーパー耐久仕様のGT-R RCではよりグリップ力の高いスリックタイヤを使用しているから当然の処置といえよう。

そのインテリアの造りを見ると、耐久レースならではの装備や軽量化のための処置、また電子制御化が進んだ現代のレースカー造りのポイントが見受けられる。

コックピット周りでは、純正メーターを残しつつレース専用の液晶メーターを取り付けている。何故、純正メーターを残しているのか。それは様々な電子制御機構をレースカーでも活かすために他ならない。例えば、R35 GT-R独特のトランスミッション制御、ABS、VDC、エンジンマネージメントなどはシステム的に複雑に連携しながら統合制御されている。純正メーターを撤去してしまうと、これらの統合制御に不具合が生じるためである。これはR35 GT-Rに限ったことではなく、最新のランサーエボリューションなども同じで、純正メーターの機能は残しつつ、レースカーにコンバートするのが現代流。

センターコンソールには、エアコンスイッチなどの代わりに、駆動系の冷却システムのスイッチが設けられている。主に、前後のデフオイルクーラーのスイッチだ。またドライバー用としてクールスーツ用のスイッチも設けられている。

ドアパネルの内側はカーボンパネルに交換され、パワーウィンドウも手動式のウィンドウレギュレーターに変更される。ドアを閉める際の取手も軽量な紐に交換され軽量化への苦心の跡が見受けられる。


燃料タンクの容量は120ℓだ。S耐の場合は90ℓだがNISMO GT-R RCはグローバルに販売することを前提にしているため、特認で海外レースで最大の120ℓの安全燃料タンクを搭載している。その搭載位置が特徴的で、ドライバー直後の車体中心付近にレイアウトすることで重量配分の適正化をはかっているようだ。通常はリヤトランク内に燃料タンクを搭載するのがこれまでの常識で、十勝24時間仕様もこの例にもれなかった。

このほか、無線やドライバーの飲料水など耐久レース仕様ならではの装備となっているまた、車両販売に向けた最終確認のためのテスト参戦であることから、各種計測機も搭載されていた。