ファステストラップを記録したものの
デビューウィンの野望は達成できず


#23NISSAN NISMO GT-R RCは、前日の予選で3位のポジションを獲得したものの、レインタイヤのマッチングがよくないことが判明していた。朝のフリー走行でも思うようなタイムが出ていない。しかし、今年からタイヤがワンメイクとなったS耐のレギュレーションでは、使えるレインタイヤは1種類と決められているため、予選と同じタイヤで戦うしかない。レインタイヤの不安を抱えたまま、レースは12時55分にフォーメーション開始。しかし、路面状況が悪いためセーフティカー先導のままスタートした。

2周のセーフティカーランの後、いよいよリスタート。#1のペトロナスZ4クーペと#2ポルシェGT3に続いて、#23 GT-Rのスタートドライバー影山正美選手は予選どおり3番手のまま戦闘開始。しかし、トップを走る#1ペトロナスZ4クーペは、2分01秒台のラップで走るが、#23GT-Rは6秒台とペースが上がらない。追撃ができないばかりか、後ろにつけていたST2クラスの#20RSオガワのランエボにもパスされ、4番手に転落。予想以上に路面にマッチしないタイヤに苦しむ。
雨は上がり始め、5周終了したところで#23GT-Rは緊急ピットイン。スリックタイヤに交換して再びコースに戻る。順位は最後尾に近い36位にまで落ちていたが、ラップタイムは2分2秒台にまで回復し順位を上げ始める。しかし、13周終了の頃になってまた雨脚が強くなり、再びピットインしてレインタイヤに戻す。ここからまたしてもマッチングがベストでないタイヤでの我慢の走行が続く。ラップタイムは2分4秒台前後だが、先行するライバルは2分2秒台から3秒台を刻んでいる。それでも#23GT-Rは、順位を14位まで戻す。


4時間レースが1時間33分経過したところでピットインし、ドライバーを田中哲也選手に交代。あいかわらずラップタイムは上がらないが、順位は14位をキープ。雨は強くなったり弱くなったりの繰り返しだったが、レースが2時間40分を経過したところで、今度は霧がFSW全体を包み込み視界が見る見る悪くなってきた。本日2回目のセーフティカーが導入され、隊列を組んで状況の回復を待ちつつ周回を重ねる。長い長いセーフティカーランが終了したのは、46分後。88周目からレース再開。





#23GT-Rは、セーフティカーランの間にピットインし、ドライバーを星野一樹選手に交代するとともに、タイヤを再びスリックタイヤに交換。雨の量が少なくなったことで、賭けに出た。スリックタイヤの使用を求めたのは、ドライバーの星野一樹選手だった。
再スタートした直後は、2分2秒台の走行だったが、残された「ファステストラップ獲得」のために星野選手は猛烈にプッシュ。90周目には#1ペトロナスZ4クーペの谷口信輝選手がマークしたファステストラップの1分59秒894に迫る1分59秒906をマーク。順位も11位にまで上昇。
4時間レースも残すところ8分を切った98周目。ついに#23GT-R星野選手は1分59秒879を記録してこのレースのファステストラップを獲得。その後101周目には1分59秒876まで塗り替え、順位は8位まで戻した。メインストレートでは、ライバルZ4クーペをあっさりパスするシーンも見られ、この速さを支えてくれる仕様のタイヤに恵まれなかったことが悔やまれる。結局、総合8位クラス5位でほろ苦いデビュー戦を終えた。
レースは、#1ペトロナスZ4クーペが圧勝で、今季4連勝を飾った。



ニスモ・熊谷太郎監督
「テストでは何種類かのタイヤを試していたのですが、実際にレースに使えるタイヤは1種類と決められているので、雨の量や路面とのタイヤマッチングが良くなくてもそのまま使わざるを得ませんでした。もし、ドライだったら行けた思いますが、今回のコンディションでは経験豊富なライバルの方が上でした。実戦の経験不足ということです。リザルトには満足していませんが、テスト参戦での目標であった、速さは星野選手がファステストラップを記録して証明してくれましたし、トラブルもなく耐久性があることも見せられたと思います。これからの参戦計画は未定ですが、会社に戻って考えます」