海外のサイトに面白い記事が掲載されていたので、ご紹介しよう。
内容は、GT-Rが叩き出した7分29秒というニュルのアタックタイムに関し、公式ではないがポルシェ911のチーフエンジニアがクレームをつけているというお話。
どうやら、あのポルシェがGT-Rを比較車として購入。ニュルに持ち込み走らせたが、タイムは出なかったというものらしい。
これに対する、日産上層部のコメントがおもしろい。

Text: GTR-World.net
Source: DRIVE / CarsGuide



ソース元はここだ。
DRIVE (http://www.drive.com.au/)
以下、その内容だ。


ポルシェ911GT2(997型)


日産がポルシェに反論したDRIVEの記事の画面
『日産曰く、GT-Rのニュルのラップタイムは正真正銘だ』
今週ポルシェがケチをつけたGT-Rのニュルブルクリンクのラップタイムの信憑性について、日産がカウンターパンチをくらわせた。
この話題は日産のトップクラスにまで渡ったと、日産ヨーロッパのスポークスマンはパリモーターショーの会場で語った。

GT-Rの7分29秒にケチをつけたのは、ポルシェのスポーツカー開発を統括しているシニアエンジニアのAugust Achleitner。
Achleitnerは、今週イタリアのヴェローナで行われた新型ポルシェ911タルガの発表会でオーストラリアのジャーナリストに
「日産が4月に出したという7分29秒を検証することができなかった」
と語った。
つまり、ポルシェのシャシーエンジニアによるとGT-Rは911GT2よりも20秒遅く、911ターボよりも16秒遅いということらしい。
Achleitnerは、GT-Rはノーマルのロードタイヤではなく、もっとサーキットスペックなタイヤを使用していたのではないか、と疑った。

これに対し、日産ヨーロッパのスポークスマンNeil Reeveは、
「ポルシェに売られたケンカを買うつもりはさらさらない。私がそれについて言えることは7分29秒というタイムはショールームでお客様が手に入れられる車と同じ、完全なノーマルタイヤを使ったということだ。トリックタイヤなんかではなく、ごくスタンダードな、ノーマルのロードタイヤだ」
と語った。
さらに、
「GT-Rはブリヂストンかダンロップのタイヤを装着している。7分29秒を出したのはダンロップだ。このダンロップも標準装備のものだ」
とつけくわえた。

Reeveは日産とポルシェが出したGT-Rのラップタイムの違いについて聞かれると、
「正直よくわからない。なぜ彼らが同じタイムを出せなかったのかを説明するのは私たちではないと思う。私が断言できることは、GT-Rの開発ドライバーである鈴木利男が、ニュルブルクリンクを何千ラップもして、GT- Rがニュルでどういう挙動をするかも熟知した。その結果があのすばらしいラップタイムを導き出したんだ。さらに言えば、彼らがどうしてタイムを検証できないのか全く想像できない。なんで再現できなかったのかの説明がつかないよ」
と困惑ぎみに答えた。そして、
「もうひとつ断言できることは、7分29秒を出したクルマは何も特殊なことをしていない」
とも語った。

Reeveは、今回の論争がGT-Rを購入しようとしている人たちの心理に影響しないかを心配している。21kmのこの有名なサーキットでのラップタイムの速さは、最近急速に各自動車メーカーによってパフォーマンスとエンジニアリング力を誇示するために使われるようになってきたからだ。

「GT-Rや911ターボを買うような人たちは、軽々しくものを買う人たちではない。彼らは買う前に十分商品を研究し、インターネット上のロードテストの記事を片っ端から読み、それを元に自分自身で購入の意思決定をする人たちなんだ。今回の論争が彼らに疑いの念を抱かせるかって?彼らはこの論争に驚くかもしれないね。私たちのヨーロッパでの経験上、GT-Rは様々なサーキットテストで911ターボと同等かそれ以上の性能を発揮している。彼らは自分自身で結論を見出すさ。」

「私たちは、あぁだこうだ言わなくてもGT-RのパフォーマンスそのものがGT-R自身を証明すると考えている。」と語った。

Reeveは、GT-Rと911ターボの再対決の可能性を否定しなかった。
「私たちは何をするべきか考えているところだ。それ以上は今はいえない。このポルシェが日産の発表に嫌疑をかけたことは2日前だ。記事を読んではじめてそのことを知ったというところが私たちにとって重要なんだ。生意気なことを言わせてもらえば、ポルシェが自分たちでGT-Rを買ってドイツまで空輸してGT-Rをテストしてみたかったなんて、痛快極まりないことだ。つまり性能が認められたってことだろう?」
とReeveは胸を張る。
「競争をするのはよいことだ。私たちはGT-Rを誇りに思っている。GT-Rはすばらしいスポーツカーだ。お手柄だよ。この価格帯でこのレベルのパフォーマンスを発揮するのは非常に感銘深い。」とReeveは語った。

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NISSAN GT-R (R35型)


ことの発端となったCarsGuideの記事の画面
一方、ことの発端となったポルシェのチーフエンジニアのコメントが掲載されたサイトはここ。
CarsGuide (http://carsguide.news.com.au/)
以下、その内容だ。

『ポルシェがGT-Rのニュルラップタイムにケチ』
ポルシェが日産GT-Rのニュルブルクリンクラップレコードがインチキだとケチをつけた。
ポルシェはGT-Rを自分たちでテストして、日産が4月に発表した7分29秒に25秒も及ばなかったと発表した。さらには、911ターボも911GT2もどちらもGT-Rより速かったとも述べた。

「7分29秒を出したクルマは、通常の生産車ではありえない」とポルシェ911のチーフエンジニアのAugust Achleitnerは911カブリオの発表会の場でオーストラリアのCARSguideの記者に語った。
「私たちからすると、どうやったらこのタイムが出たのかまるっきりわからない。私たちが想像するに、日産は別のタイヤを使ったのではないか?」
鈴木利男が出したタイムは、セミスリックのレース用タイヤででもなければ実現できないと確信している。
Achleitnerは、GT-R(標準車)をニュルブルクリンクに持っていき、同じ日の同じ天候の下、ポルシェと2時間に及ぶ比較テストをしたというのだ。ポルシェ911ターボと911GT2はもちろん、生産車用のノーマルタイヤ"ミシュラン・スポーツカップ"を使用したといった。
「私たちはGT-Rをアメリカから輸入した。GT-Rは新品のタイヤでテストした」
Achleitnerは、ラップタイムの検証のために、開発中のパナメーラと競合車の比較テストを行っていたときにGT-Rを走らせた。しかし、なんと彼のチームが測定して出たタイムは、GT-Rが7分54秒、911ターボは7分38秒、GT2は7分34秒だったのだ。
これらのラップタイムは、ポルシェの通常のニュルのタイムアタックドライバーであるWalter Rohrl(元WRCチャンピオン)ではなく、ポルシェのシャシー開発エンジニアの一人(もちろんニュルのエキスパートだ)が出したものだ。

Achleitnerは比較テストを行った理由を、パワーは似ているが重量が911より重いGT-Rがニュルを7分29秒で走ったという日産の公表に関心を持ったからだという。
「GT-Rは良いクルマだ。悪く言うつもりはない。とてもしっかりしたクルマだ。しかし911ターボより20kg近くも重いんだ・・・」
そして、ポルシェは今回のテストの結果がGT-Rの公正なラップタイムで、911ターボや911GT2とのベンチマークになると確信している。
「私たちにとって、これはとても明快な結果だ。この結果は理屈的にもマッチするからね」
と最後に彼は語った。

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日産ヨーロッパのスポークスマンNeil Reeveの言うとおり、ポルシェがGT-Rをベンチマークにした点は大きい。なにしろ、アメリカからわざわざGT-Rを輸入したのだからエポックメイキングなことと言えるだろう。
ただ、気になるのは、キチンとナラシを行った上でのアタックだったのか。さらには、ミッションやクラッチ、エンジンの調整はなされていたのか?という点だ。
欧州では、まだGT-Rは正式には発売されていない。したがって、まだNHPC店に相当するサービス店がない欧州では、コンサルトⅢによる各種調整はできないはず。となれば、北米でナラシを行った上で調整、輸入したとも考えられるが、ポルシェのチーフエンジニアによれば「新品タイヤでのテスト」というから、いきなりのアタックだった可能性が高い。
一方で、ポルシェがテストしたGT-Rは、オールシーズンタイヤを装着していたのでは?という噂もあるが、当サイトの独自調査ではブリヂストン製ランフラットタイヤを装着していたらしい。
いずれにしろ、日産のエンジニアにとってはあらぬ嫌疑をかけられたわけだから、困惑しているに違いない。