10月21日に発表されたR35 GT-Rの2010年モデル(MY10)の詳しい情報を入手したのでご紹介しよう。



◆ ナビシステム
既に日産が発表したように、今回のアップデートで4ダイバーシティ式アンテナの地デジTVチューナーを搭載したHDD方式のナビシステムを標準装備した。また、USB接続機能も搭載し、iPodなどの携帯音楽プレーヤーの接続も可能になった。

特に注目したいのは、将来、NISMOから発売されるというデーターロガーキットの存在。専用のソフトをインストールすることにより、マルチファンクションメーターに表示される各種車両情報のデータをダウンロードすることが可能になるという。サーキット走行時などのドライビングデーターをダウンロードし、分析することで自分自身のドライビングテクニックの向上にも重要なツールとなる。かつて、BNR34 GT-R用としてNISMOが販売した“マルチファンクションディスプレイ拡張キット”のようなものだろう。どのようなものが発売されるのか、当サイトとしても注目していきたい。

◆ サスペンション
ダンパーおよびスプリングの精度管理値を向上させ、上質な乗り心地とハンドリングを実現したとのことだが、これは08モデル(MY08)の時に行った内容と同じく、認められた生産誤差の中での製造管理値の変更と思われる。したがって、09モデル(MY09)の時のようにスプリングレートの変更というほどの内容ではない(08モデルはホイール端レートで0.1kのアップ)。

また、今回はリヤサスペンションのラジアスロッドブッシュの剛性を高めている。09モデルまでは、主にフロントのサスペンション剛性のアップデートが行われてきたが、ついにリヤサスにも手が入ることになった。これにより、接地性が向上しダイレクトなアクセルワークが楽しめるようになったとのこと。

ブリヂストン製標準タイヤもアップデートされた。トレッドデザインとプロフィール、構造を見直し、上記サスペンション変更に対応するとともに、よりフラットライドな乗り心地とスポーティーなハンドリングを実現したとのことだ。

◆ エンジン
エンジン本体および制御系に関するアップデートはない。しかし、触媒については、09モデルまでは四角メッシュの触媒セルであったが、10モデルからハニカム構造の通気抵抗の少ない触媒セルが採用された。これにより、低中速域のエンジンレスポンス向上と同時に浄化性能も向上したとのこと。いわば、メーカー製のスポーツ触媒といったところか。





◆ ミッション
冷却性能のアップデートが行われた。R35はノーマルで水冷式のミッションオイルクーラーが装着されている。エンジン冷却水と共用する形でミッションオイルを冷却している。写真はそのヒートエクスチェジャー。今回のアップデートでは、ヒートエクスチェンジャーに至る配管径を太くし冷却水の量を増やすことでミッションオイルの冷却性能を高めている。HKS関西は、サブラジエターの追加で冷却性能を高めているが、手法こそ異なるものの基本思想は同じということだろう。



◆ リヤディフューザー
今回の10モデルから、SpecV専用だった冷却ダクト付きリヤディフューザーが標準採用となった。左右に設けられたNACAダクトにより、リヤフロア周りの冷却性能を向上させている。

◆ その他の変更点
走りに関わる変更点は
・ EDB(電子制御性動力配分システム)の配分特性変更
・ リヤブレーキクロススプリング形状変更
・ フロントミッションマウント特性変更
装備に関わる変更点は
・ 後席シートベルトAELR機能廃止
・ フロントワイパーの間欠機能を車速感知式から無断間欠式に変更
・ プレミアムPOIコンテンツ(るるぶ情報)機能追加
・ 地図更新機能追加。
・ ドライバーズノートの廃止
外観上の変更点は
・ 前後バンパーダブルクリヤ塗装をシングルクリヤ塗装に変更
・ リヤディフレクター形状変更
・ エンブレムのメッキ色調変更


以上のように今回のアップデートでは、はじめて冷却面の性能向上がはかられている。
ニュルブルクリンクのラップタイムが示すように、デビュー当初にくらべGT-Rは確実に速くなっている。その意味するところは、アクセルの全開時間が長くなっているということにほかならない。つまりその分、発熱量が増えてきたということだ。
9月に行われたニュルのテストでは、10モデルによるタイムアタックは行っていないとのこと。水野氏は、来年4月にアタックをするのだろうか。