このところ、さまざまな自動車雑誌に登場しているオレンジのR35GT-R。GTR-WORLDの読者なら、このクルマが何モノであるかはご存知のことだろう。そう、GT-Rの中古車、新車、コンプリートカーなどを扱う専門店として有名なゼル・インターナショナルのデモカーだ。ゼルでは、R35 GT-Rの発売と同時に開発に着手。今年の東京オートサロンで衝撃のデビューを果たした、国内はもとより海外からも大きな注目を浴びた1台である。

Text:GTR-WORLD.net
Photo: GTR-WORLD.net


















イギリスの日産ディーラーからも受注

オレンジパールの外観からチェックする。フロントバンパー、フロントリップスポイラー、サイドスカート、リアアンダースポイラーをゼル・オリジナルのエアロキットに交換。デザインは、GT-Rのデザイン・イメージを壊すのではなく、より引き立たせるとともに車格に相応しいスポーティなイメージに。とくにサイドステップは、GTマシンを彷彿とさせる。
素材はカーボンを多用。エアロキットの他、ボンネット上の2つのNACAダクト、フロントフェンダーダクト、そしてグリルがカーボンで出来ている。「ここはカーボン素材にしてほしかった!!」と誰もが思う部分を、全てカーボンに変更している点に注目。GT-Rフリークを自認する鎌田代表のこだわりの現れか。
発売中のこのエアロキット、なかなか好評とのこと。国内の有名ショップのデモカーに採用された他、海外からの引きあいも多い。イギリスの有名日産ディーラーである「ミドルハースト」からは、デモカー用として注文が入ったというから驚きだ。
ゼルでは、エアロキットの他、カーボン・ラジエターシュラウド、カーボン・エンジンカバーなど、続々と新製品を投入予定。

チューニング・コンピュータ完成間近

様々なシチュエーションの走りに効くコンピュータ(ECU)は、ゼル・オリジナルの「FZ-ROM TYPEⅠ」。すでに開発の最終段階で、待望のR35GT-Rのチューンドコンピュータがまたひとつリリースされることになるのだ。プログラムは、可変バルタイ、点火時期、燃料をチューニング。ブーストは、ノーマルの0.75kg/cm2から0.8 kg/cm2にアップ。ただしオーバーシュートは0.9 kg/cm2となっている。特にワインディングではこのオーバーシュート分が効いてくる。
実際に走らせた印象は、非常にアクセルレスポンスのいいセッティングだということ。もちろん、パワー感も増しているが、ワインディングでオンオフを繰り返すようなシーンでは、とくにアクセルレスポンスが効いてくる。GT-Rのスポーツカー度をさらにアップしてくれることは間違いない。スピードリミッターは260km/hに設定。経済産業省が管轄する輸入車は250km/hでリミッターが作動するクルマが多いので、それに合わせプラスアルファの設定をしているという(ちなみに国産車の管轄は国交省。180km/hのスピードリミッターはメーカー自主規制)。
このゼル・オリジナルの「FZ-ROM TYPEⅠ」というコンピュータ、なんと1年間のエンジン本体の保証付きで販売される予定というから驚き。予定販売価格は18万9,000円。正式発売はまだ先だが、5月末から予約を受け付けるそうだ。ゼルでは、この「FZ-ROM TYPEⅠ」の他にも、スピードリミッターを解除した上、レブリミットを7200rpmに設定し、さらに各種データ変更を行った「FZ-ROM TYPEⅡ」も開発中。
その他のエンジン関係では、開発中のゼル・オリジナル、4本出しチタンマフラー(試作品)が目を引く。メインパイプ径は、様々なパイプ径をテストした結果、最も気持ちいい吹け上がりが体感できるφ80を選択。高温で焼けて青く発色したチタン独特の素材感が感じられるテールは、シンプルな形状だが2重構造を持つというこだわり。
このチタンマフラー、ハイレスポンスのコンピュータと相まって、ワインディングやサーキットでその効果を発揮してくれるのは間違いない。純正と比較してもエキゾースト音も控えめで、ジェントルな印象なのもGT-Rという車格にマッチしている。

ホイールはレイズ製のグラムライツR57GTを履く

シャシー系については、ノーマルのビルシュタインダンパーとスプリングをそのまま使っている。Cリングの溝を追加加工し、スプリングシート位置を25mmほど下げることで車高ダウン。これに伴いバンプラバーもスペシャルなものに変更。ちなみに、ノーマル状態でのバッファクリアランスは10mmあるかないか。したがって25mmも車高を下げれば、常にバンプラバーが当った状態になり、乗り心地も操安性も悪化する。そこで、ゼルではスペシャルなバンプラバーを組み込み、縮み側のストロークを確保しているというわけだ。基本的には純正の乗り味だが、25mmのローダウン化による悪影響は感じられなかった。ちょっとした加工で、純正の乗り味を損なうことなく、車高を下げられる。かなりコストパフォーマンスの高いサスペンションチューニングと言えるだろう。
装着するタイヤは純正のランフラット(ブリヂストン製)。これにレイズ製のグラムライツR57GTのZ33用サイズを履かせている(F:9.5J/20+25 R:10.5J/20+15)が、フィッティングの違和感はまったくなかった。

国内外で注目を浴びるゼルのR35 GT-Rチューニング。「僕の中にあったノーマルの持つネガティブな部分をひとつずつ潰してきました。ようやくR35GT-Rに乗ることが楽しいなって思えるクルマに仕上がってきました」と鎌田代表は自信を見せる。自ら日々の通勤車として使うことで、日常性をも確保した完成度の高いクルマが仕上がりつつあるから期待大だ。
さらにゼルでは、R35GT-Rのチューニング・パーツを増やしていく予定。近い将来、R35GT-Rのコンプリート・チューニングの構想も視野に入れているという。

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